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『波瀾万丈の車両』、2018年9月7日(金曜日)発売!!

拙著『波瀾万丈の車両』、発売中!! くわしくは、こちらへ


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N'EX SPECIAL 2010-後編-(特急〈成田エクスプレス〉2代目車両、E259系試乗) [汽車旅2010番外編]

●「N'EX SPECIAL 2010-前編-(特急〈成田エクスプレス〉初代車両、253系フォーエヴァー)」をまだ御覧になっていない方は、下記のURLをクリックしてください。
http://railway583.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30

◆成田国際空港を歩く

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成田空港で下車。ここは改札前に手荷物検査を受ける掟があり、身分証明の確認も行なわれる。ある男性から聞いた話によると、リムジンバスでも身分証明の確認を行なっているらしく、どういう経路でも厳戒態勢をしいている。

第1旅客ターミナルは想像以上に人が少なく、閑散としている。お盆や年末年始になると相当混み合っている光景を目にするが、ここで離着陸する航空事業者は少なく、隣の第2旅客ターミナルに人が集中しているのかもしれない。

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成田国際空港は「新東京国際空港」時代を含め、今回で5回目の来訪となるが、過去4回は滞在時間が30分前後しかなく、じっくり見てみたい。この日は緊迫感がないものの、日本にいるような雰囲気がしない。そういう空気を演出している光景をあげると、世界時計のボードで主要国の現在時刻が表示されている。これならば腕時計をいじくって、これから外国へ向かう人や自国へ帰る人、日本に帰国あるいは来日した人も修正ができる。あとは時差ボケをどう克服するかだろうか。

私はVIEW SQUAREへ向かう。高所恐怖症であることや、墜落すると助からない可能性が高いという理由で、ヒコーキに乗るのが苦手な私だが、見るだけならなんの抵抗もない。かつて関西国際空港、神戸空港、中部国際空港の展望デッキでヒコーキが離着陸する姿を見ているが、成田国際空港は1度もその光景を見たことがない。

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展望デッキに到着。滑走路は世界各国のヒコーキが離着陸しており、「国際空港」を実感する。どこの航空会社なのかはわからないけど、「航空機」はどこの国も重要な交通機関と再認識する。ちなみに成田国際空港は、2009年10月22日(木曜日)にB滑走路の延伸と誘導路の増設により、A滑走路と併せて年間約22万回の離着陸が可能になった。

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成田空港駅に戻り、成田線支線ホームへ。2番線には17時00分発の快速(東京から普通電車)久里浜行きが発車を待っている。当初は2階建てグリーン車に乗ってみようかと考えたが……

JR東日本の成田国際空港アクセスは、時間帯により異なるが、片道1時間あたり、快速1本、特急2本しか走らない。成田線我孫子―成田間の各駅停車を成田空港に延長運転すれば、本数が増えて利便性がよくなるように思えるのだが、臨時列車の運行を考慮してか、そういう計画もなさそうだ。かつて、上野―成田空港間で常磐線内をターゲットとした臨時快速〈エアポート常磐〉を運行し、ある程度の乗車率を得ていたが、成田線に入ると単線区間の運転停車がネックとなり、短命に終わっている。

◆迷路のような貫通路

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16時57分、1番線にE259系の特急〈成田エクスプレス39号〉が到着した。この電車は折り返し、17時16分発の特急〈成田エクスプレス40号〉横浜方面大船・大宮行き(7号車クハE258-13:指定席)となる。復路はE259系試乗に決め、大船に戻らず、大宮行きを選んだ。また、往路は253系グリーン車を選んだが、復路はE259系普通車指定席にした。

17時05分頃に車内清掃が終わり、すべての側扉が開く(車内清掃中は一部の側扉が開いている)。E259系のボディーカラーは253系を継承しているが、ストライスフィアグレーを省略し、ポーラホワイトを強調して爽快感を醸し出した。ボリューム感のある前頭部は、E351系貫通型先頭車に似ているが、コスミックブラックの貫通扉に特急〈成田エクスプレス〉のシンボルマークをド派手に大きくして、“E259系は期待を裏切らない”という、自信に満ち溢れた顔立ちをしている。

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※E259系の出入り口付近にある情報案内装置

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※253系の出入り口付近にある情報案内装置

デッキには253系と同様、出入り口付近に情報案内装置を設けている。253系はLED式で号車と行先(日本語、英語の交互表示)のみだったが、E259系はLCD式で、行先や停車駅が4か国語(日本語、英語、中国語、韓国語)表示される。また、時刻表示も加わった。これならば腕時計の時刻修正が容易にできる。そして、LCDの下に触地図があり、交通弱者にとっては重要な“情報案内装置”である。これはトイレのドアの内側にも設けている。

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※E259系の大型荷物置場

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※253系の大型荷物置場

客室に入ってすぐのところに、大型荷物置場がある。これは253系と変わらないが、異なる点はワイヤー錠を採用し、監視カメラも設置しているので、セキュリティーを強化していることだ。ワイヤー錠は4ケタの暗証番号を設定するもので、日頃使い慣れている番号を選んだほうがいいだろう。ワイヤー錠は普通車1両につき16個×2か所、グリーン車は24個設置している。ちなみに暗証番号を忘れた場合、途中駅までの特急券等を所持しても終点まで乗らなければならず、なんらかの方法により、ワイヤー錠が外れる仕組みになっている。

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乗車する指定席7号車はクハ258形で、隣は6号車クロE259形だ。先頭車同士の通り抜けは、253系だと乗客の通り抜けができない構造だったが、E259系は高運転台構造や自動幌装置の改良により、乗客も通り抜けができるようになった。貫通路はクネクネしており、反対側から人が通り抜けることを知らせるためなのか、さりげなく鏡を設置。これならば、衝突事故を避けることができるだろう。


特急〈成田エクスプレス40号〉横浜方面大船・大宮行き編成表
乗車区間号車車両番号禁煙行先備考
 1クハE258-11横浜方面大船指定席
 2モハE258-11横浜方面大船指定席
 3モハE259-11横浜方面大船指定席
 4モハE258-511横浜方面大船指定席
 5モハE259-511横浜方面大船指定席
 6クロE259-11横浜方面大船グリーン車
大宮7クハE258-13大宮指定席
 8モハE258-13大宮指定席
 9モハE259-13大宮指定席
 10モハE258-513大宮指定席
 11モハE259-513大宮指定席
成田空港12クロE259-13大宮グリーン車
東京で横浜方面大船行きと分割し、大宮へ向かう。

7号車東京寄りのデッキでは、車内販売の女性が待機していた。6号車と7号車のあいだが通り抜けるようになっても、車内販売員は横浜方面、新宿方面に分乗しており、当面はこのままだろう。ちなみにE259系は車内販売を充実しており、冷たい飲み物は氷がつき、外国人客向けに炭酸水やお菓子、せんべいやアメといった日本の伝統商品、オリジナルグッズなどを加えた。

◆圧迫感がない通路LCD

定刻通り17時16分に発車。空港第2ビルで大量乗車があり、私が乗車する7号車は、ほぼ満席。E259系の自動放送は日本語、英語、中国語、韓国語の順に流れ、にぎやかだ

地下を出ると、堀之内信号場で運転停車。特急〈成田エクスプレス41号〉成田空港行きと行き違うためだが、行き違うことなく17時24分に発車。どうやら特急〈成田エクスプレス41号〉成田空港行きは、遅れている模様だ。ちなみに成田スカイアクセスの建設に伴い、JR東日本は根古屋信号場が使えなくなり、代替として堀之内信号場を設けた。

進行方向右側の窓側席に坐っているため、進行方向左側の成田スカイアクセスが見えない。満席なので、むやみに動くわけにはいかないが、試運転電車とすれ違うことはなかった。

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ほどよいスピードで成田線本線部に合流。ふと見上げると、成田スカイアクセスは成田新幹線の高架を活用していた。成田スカイアクセスは2010年7月17日(土曜日)に開幕し、2代目AE形がデビューしているが、入れ替わるように253系は、同日にサヨナラ運転が行なわれた。JR東日本は成田スカイアクセスを相当意識しているようだ。ちなみに253系200番代は特急〈日光〉〈きぬがわ〉の転用が決まり、車内リニューアル、塗装変更、制御装置をVVVFインバータに取り替え、253系1000番代に生まれ変わる。

遅れている253系の特急〈成田エクスプレス41号〉成田空港行きとすれ違い、成田を通過。カーブが多く、佐倉で総武本線に入る。


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E259系客室内の情報案内装置もLCDを採用している。E259系は先頭車の客室8台、中間車の客室12台、デッキは1両につき普通車2台、グリーン車1台をそれぞれ設置している。画面は17インチワイドで、“大きからず小さからず”といった感じだが、客室LCD設置により、空間を確保する必要性が生じたため、車体高さはE257系より105mm高くしている。ちなみに通路LCDは、JR西日本321系、225系にもあり、サイズはE259系より2インチ大きい19インチだ。

参考までに運転台部分以外の車体高さを紹介すると、E257系は一部を除き3500mm、E259系は3655mm、321系と225系は3630mmである(車輪から客室の床までの高さは、E257系とE259系は1140mm、321系と225系は1120mm)。


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さて、E259系の客室LCDの左側は現在の走行位置、特別警戒のお知らせ、乗り換え案内、到着駅構内の案内、運行情報、次駅案内(日本語、英語)。右側は天気、JR東日本のCM、ニュース(その日と週間)、次駅案内(中国語、韓国語)を表示する。LEDに比べ、情報量が敏速かつ豊富に表示できる。LEDはスクロール表示が多いので、長文の場合、始まりから終わりまで時間がかかる難点がある。


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週間ニュースは帰国者にありがたいサービスだろう。この週は民主党の鳩山由紀夫第93代内閣総理大臣が辞任。ただちに民主党代表選が行なわれ、菅直人がみずからの力で第94代内閣総理大臣の座に就いた。激動の1週間、いや3日間だった。


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※E259系のルートマップ


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※253系のルートマップ

LCD画面左側にルートマップが表示された。253系ではボード表示していたが、E259系ではLCDに集約した。E259系ルートマップの西端は大船ではなく、小田原まで表示しており、将来は小田原までの運行を想定しているようだ。

さて、客室のLCD周辺を見て、なにかにお気づきだろうか。


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それは、天井がスッキリしていることで、空調吹き出し口がないのだ。これはE257系もそうだが、空調装置は床下にあるためで、空調吹き出し口は冷暖房兼用で荷棚にある。また、E259系は窓側の下に補助暖房を設けている。屋根上に集中冷房装置がなければ、冷房ダクトを設ける必要性がないので、限られた空間を広げるメリットがある。

◆ファミコンシートをやめた普通車

17時50分、千葉7番線を通過。向かいの8番線にはスカ色の各駅停車成東行きが発車を待っている。ちなみにスカ色の113系は、209系2000・2100番代に置き換えられることが決まっている。



次は東京

さて、普通車の座席は253系よりもグレードアップした。253系の初期車はボックスシートで、のちに集団見合い式に改めているが、A特急料金に見合わない座席だった。253系200番代やクロ253形100番代改造のクロハ253形で、普通車はようやくリクライニングシートを採用した。これはE653系、E4系、E751系、200系リニューアル車、E257系、E2系1000番代、485系3000番代などで見られるファミコンシートである。これはJR四国5000系2階建て車両の普通車指定席にも採用された。しかし、JR東日本の特急車両に乗る乗客からは、「使い方がわかりにくい」という意見があったという。おそらく、座面スライド機構を使わない人のほうが多かったのかもしれない。

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JR東日本は、その声を反映し、E259系普通車のシートピッチは「破格」ともいえる1020mmにした。これだけゆったりしていると、ファミコンシートにする必要はない。また、グリーン車を含め、座席の脚台はE3系やE257系と同じセンター支持方式にした。これにより、グリーン車も座席下に荷物を置くことができる(253系の普通車はカンチレバー式のため、座席下に荷物を置くスペースを備えていた)。また、あとで気づいたが、普通車は頭部の位置を調節できる枕がついた。グリーン車ではよく見かける設備だ。

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外側のひじかけにはコンセントを設置。背面のテーブルは硬度を強化して、ノートパソコンによるデスクワークにも対応した。つまり、すべての座席にコンセントを設置しているわけで、“誰もが平等という環境”になった。見事にパソコン環境を整備したJR東日本は、UQ コミュニケーションズ、WiMAXによる無線LANインターネット車内接続サービスを行ない、地下やトンネルを除く全区間(成田空港―大船・大宮・高尾間)で利用可能だ。ちなみに、WiMAXに対応するため、E259系は車両の屋根上にアンテナを設置。中継装置を介して、客室にもアンテナが設置されている。

なお、2010年2月初旬からE259系一部編成の客室LCDで、WiMAXによる情報転送を試験的に開始。機能の正常性を確認し、3月11日(木曜日)に全編成(注、当時は増備途中)に情報伝送の導入が完了した。ちなみに京葉線に投入されたE233系5000番代も、WiMAXによる情報転送が行なわれている。

話を普通車に戻すが、背もたれに市松模様を採用し、これだけの設備を誇るとA特急料金であることに納得する。

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グリーン車はシートピッチ1160mmで、座席はボリューム感あふれる本革を使用。床は普通車と同じ市松模様だが、グリーン車はじゅうたんにして、豪華さと高級感を醸し出している。あとは普通車と共通する点が多いが、253系に1室だけあった4人用個室は省略され、車椅子対応の大型洋式トイレと多目的室を設けた。ちなみに5・11号車は車椅子スペースを設けている。

このほか、クハE258形にAEDを設置。先頭車はフルアクティブサスペンション(在来線車両では初採用)、各車両間に車体間ダンパをそれぞれ装備し、乗り心地の向上をはかっている。そのせいか、乗っていても不快な揺れは感じなかった。

◆同じ列車が2度通る東京―品川間

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小岩を通過すると、進行方向右側には建設中の東京スカイツリーを発見。ニョキニョキと伸ばしている。総武本線の車窓の見所が増え、沿線の人々は“育ち盛り”を見るのが楽しみだろう。

総武本線沿線から東京スカイツリーへ行くには2通りあり、1つ目は亀戸で東武鉄道亀戸線に乗り、終点曳舟で伊勢崎線に乗り換え、業平橋か押上(Z-14)で下車。2つ目は錦糸町で東京地下鉄半蔵門線に乗り換え、押上(Z-14)で下車する。

この2つを比べると、亀戸は各駅停車しか停まらないため、利便性では錦糸町乗換えに軍配が上がる。2012年春のダイヤ改正で、特急〈成田エクスプレス〉が錦糸町に停まるかどうか注目してみたいが、成田空港からの東京スカイツリーアクセスは、押上線が存在する京成に軍配が上がるため、通過のままになるかもしれない。



次は東京

錦糸町を通過し、両国付近で地下へ。地上になるまで公衆電話、インターネットが使えない。東京で降りる乗客にとっては、あと片づけがしやすい環境であろう。

馬喰町にさしかかると自動放送がかかり、「東京の次は、渋谷に停まります」というアナウンスが流れる。どうやら1~6号車と7~12号車は、別々の放送を流しているようだ。


18時18分、東京総武地下3番線に到着。多くの乗客はここで降りた。E259系は先頭車しかトイレがないため、“数が足りるのだろうか?”と気になっていたが、空港第2ビル―東京間は席をはずす乗客がおらず、事前に済ませたのだろう。ちなみに、253系の6両車は3両、3両車は2両にトイレが設置されていた(内訳はクロ253形0・100・200番代、クロハ253形、モハ253形0・100・200・300番代)。

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ここで編成の分割が行なわれ、6・7号車は自動で幌と渡り板を収納したあと、18時20分に横浜方面大船行きが発車。3分後には大宮行きがあとを追うかの如く、発車した。ちなみに東京―品川間は、特急〈成田エクスプレス40号〉が2度通ることになる(もちろん、列車番号は異なる)。これは特急〈成田エクスプレス〉の運行開始当初からそうなっており、基本的に品川は横浜方面の編成が停まるため、誤乗防止に努めている。なお、新宿方面の編成は基本的に通過するが、特急〈成田エクスプレス13・48号〉は横浜方面発着便がないため、品川に停車する。

さて、同じ区間に同じ列車が2度通るというパターンは国鉄時代に存在していた。

それは新大阪―長崎・佐世保間を運行していた寝台特急〈あかつき3・2号〉で、昭和53年(1978年)10月2日(月曜日)のダイヤ改正から門司で分割併合し、長崎編成の門司―鳥栖間は、ひたすら鹿児島本線を走行していたが、佐世保編成は途中で筑豊本線に“寄り道”する遠回りだった。このため、門司―折尾間、原田―肥前山口間は寝台特急〈あかつき3・2号〉が1日2度通った。しかし、昭和60年(1985年)3月14日(木曜日)のダイヤ改正で、佐世保編成の門司―鳥栖間は、ひたすら鹿児島本線を走行するルートに変更され、分割併合は門司から肥前山口に改めた。

◆新宿から先は回送状態


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次は渋谷

東京から東海道本線に入り、18時29分に地上へあがると、ゆっくりした速度で品川を通過。そのあとは慎重に進み、スカ線ルートと分岐。ここからは山手線に入り、大崎を通過する。定期列車では、特急〈成田エクスプレス〉でしか味わえないルートで、いつも乗っている山手線の電車とは違った雰囲気がある。

品川からは複々線となっており、特急〈成田エクスプレス〉は進行方向左側の貨物線を走る。今では埼京線、湘南新宿ラインのルートにもなっているので、“山手快速線”と化しているが、現在も貨物列車を運行している。

目黒を通過すると、山手貨物線と山手線の位置が入れ替わり、18時40分、渋谷3番線に到着。7号車は東京で半分以上降りたせいか、ここで降りた人の数は確認できなかったが、大崎寄りに新南改札があるので、そこへ向かったのだろう。

18時41分に発車し、進行方向右側にある東横線のホームをかすめ、まだ隣の原宿を通過していないのに、「まもなく、新宿…」の放送が入る。4か国放送のため、放送時間が長いのだ。

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18時46分、新宿6番線に到着。向かいの5番線には特急〈スペーシア日光8号〉の回送が止まっている。通常は特急〈日光8号〉だが、485系300・1000番代は点検のため、東武鉄道100系スペーシアが代走している。2011年4月16日(土曜日)に特急〈日光〉〈きぬがわ〉の485系300・1000番代は、253系1000番代に交代するが、100系スペーシアの代走運用は引き続き行なわれるのかもしれない。

さて、特急〈成田エクスプレス40号〉大宮行きはガラガラとなり、終点に着いたかのような錯覚だ。大宮まで行くのならば、東京で東北新幹線に乗り換えたほうが早く着くものの、在来線特急は乗り継ぎ割引が適用されないため、高くついてしまう。ちなみに特急〈成田エクスプレス〉の大宮発着は1日2往復ある。

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18時48分に発車すると、8番線に中央線201系の快速東京行きを発見!! “乗りてぇー”と叫びたくなる。御存知のように中央線201系は、2010年10月17日(日曜日)で最終運行となり、31年間の活躍にピリオドを打った。

進行方向右側では、西武鉄道新宿線の各駅停車新所沢行きを抜き、高田馬場で別れたあと、今度は西武鉄道池袋線が見え、18時53分、池袋に到着。1分後に発車し、次は終点大宮だが、7号車は私を含めて、たった2人しか乗っていない。

大塚を通過すると、初めて車掌が車内を巡回する。7号車に乗る50代の男性は、なんと新宿から乗っていた。車掌の検札により、車内で特急券を購入するが、B特急料金が適用されないにもかかわらず、短距離乗車するのは太っ腹だ。ただ、乗車前に購入して欲しいもの。ちなみに新宿5・6番線は、自由席特急券の券売機があり、全車指定席の特急には対応していない。

駒込を過ぎると、東北本線へワープ。進行方向右側には東京新幹線車両センターがあり、同じ目線で新幹線電車を見ることができるのは珍しい(通常、新幹線は“上から目線”で在来線を見下ろすことが多い)。



次は大宮 終点

ゆっくりと走り、電気笛とホイッスルを鳴らして、赤羽を通過。ちょうど京浜東北線の各駅停車南浦和行きが発車し、並走。荒川を渡り、川口が近づくと、軽々と抜いた。

ラストコースは、130㎞/h運転というわけにはいかないが、特急らしい快走で、夏の空はほぼ暗闇へ。京浜東北線のホーム両端にある飛び込み自殺防止用の青い光が輝かしい夜景と化す。実際、青い光の下にいると、別世界にいる感覚を受ける。

与野を通過すると、終点大宮に到着する放送が流れた。成田空港―大宮間の所要時間は2時間01分で、“常磐線、武蔵野線経由のほうが早いんじゃないか”と考えてしまう。

ためしに『JR時刻表2010年12月号』(交通新聞社刊)とJR東日本ホームページを調べると、成田空港17時00分発の快速(東京から普通電車)久里浜行きに乗り、成田は17時11分に到着。ここで17時16分発の各駅停車我孫子行きに乗り換え、終点には18時01分に到着する。

我孫子は、わずか1分の接続で常磐線の各駅停車代々木上原行きに乗り換え、新松戸には18時15分に到着(土休は我孫子18時03分発、新松戸18時16分着)。上野寄りの階段をあがり、武蔵野線18時24分発の各駅停車府中本町行きに乗り換え、南浦和には18時52分に到着する(土休は新松戸18時17分発、南浦和18時45分着)。

ここで京浜東北線18時56分発の各駅停車大宮行きに乗り換え、終点には19時08分に到着(土休は南浦和18時54分発、大宮19時05分着)。所要時間は2時間08分(土休2時間05分)だが、かろうじて、特急〈成田エクスプレス40号〉大宮行きよりも早く着くことになる。成田空港―大宮間のA特急指定席特急料金2200円の投資は、乗り換えなしで、疲労を軽減させることに意義があるといえよう。

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19時10分、終点大宮11番線に到着。回送電車となり、翌日の運用に備える。

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電車を降りると、方向LEDは「回送」になっているが、時よりシンボルマークが空を舞い、右下に「N'EX」を表示。方向幕とは違った味を出しており、楽しいショータイムで子供に喜ばれること間違いなしであろう。“また乗りたくなってくる”という意欲をかきたてる。

余談だが、E259系は2010年鉄道友の会ブルーリボン賞に輝いた。




★備考

①eyeVio「JR東日本E259系開幕戦&N'EX SPECIAL2010 THE MOVIE」

 

②JR東日本は2008年度から、電波の届きにくい駅改札内のコンコースや地下ホームを中心に、WiMAXサービスを整備しています。

③参考資料として、鉄道ジャーナル社刊行、『鉄道ジャーナル』1985年7月号、1995年6月号、2001年8月号、2005年10月号、2009年9・12月号を使用。

④参考資料として、成美堂出版刊行、『鉄道ジャーナル』2010年8月号を使用。

⑤参考資料として、三栄書房刊行、『鉄道のテクノロジーVol.3』を使用。

⑥参考資料として、交通新聞社刊行、『JR時刻表2010年12月号』を使用。

⑦参考資料として、洋泉社刊行、寺本光照著、『全列車・全記録を完全網羅! 永久保存版 ブルートレイン大全』を使用。

⑧UZ's View
「225系0番台試乗」

⑨住吉急行電鉄の日報plus「223系+225系」

⑩ホテル&トラベルジャーナル「JR西日本225系にご対面」 

⑪さすらいのライターのRailway Voice.
「N'EX SPECIAL 2010-後編-(特急〈成田エクスプレス〉2代目車両、E259系試乗)Voice Version.」

⑫岸田法眼のRailway Blog.
「近未来予測車両-JR東日本253系-」 

⑬岸田法眼のRailway Blog.
「JR東日本E259系開幕戦」 

★おまけ





★年末のごあいさつ

本年もRailway Blogを御一読いただき、誠にありがとうございました。

本年は3月22日(月曜日・春分の日)にJR東日本岩泉線岩泉で、JR旅客鉄道完全制覇を達成しました。汽車旅を始めて14年かかっての完全制覇でしたが、一部から「偉業」とたたえられ、恐縮しました。

12月4日(土曜日)、東北新幹線が全通し、「JR旅客鉄道完全制覇」という言葉は、9か月しか使えない状況になりましたが、2011年3月12日(土曜日)に予定されている九州新幹線鹿児島ルート全通とともに、いずれ乗る機会が訪れるはずです。将来は北海道新幹線開業、北陸新幹線金沢延伸、おおさか東線全通もありますので、マイペースで日本の旅客鉄道未乗路線を全線完乗しようと思います。

本年は多忙をきわめ、Railway Blogは「Twitterダイジェスト」任せにする日がほとんど多く、皆様には御不満な点があるかもしれません。来年もそういう状況が続きますことを御了承ください。また、多忙で無理していたのがたたり、一時体調を崩して3か月間通院生活を余儀なくされましたが、来年は元旦から大晦日まで、万全の体調で仕事に臨むよう、努めてまいります。

来年もRailway Blogを御愛読いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。そして、よいお年をお迎えくださいませ。


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case-k

こんにちは。
普段見てても意識してないような場所が撮られていて、新鮮です。
テキストもあいまって、乗ってるような気分になりますね。
構図も勉強になります。また来ます。
では、良いお年をお迎えください。

by case-k (2010-12-31 18:22) 

Ethan

こんにちは、

いつも楽しく拝見しております。ただいま海外在住なのでN'exよく使います。しかし、259系は、海外旅行者の視点で作られていないのでは?と思うことが。その一つがトイレです。253系に比べてトイレが減りました。先頭車にしかありませんので6両で2か所。ちょっとこれは少ないですよね。特に、これから海外という乗客は成田に着いたらまたスーツケース引きずりながらチェックインするわけで、成田に着く前にトイレ行っておこう、ということになり、大行列。以前はそうでもありませんでしたが、259系になってからはほんとうにひどいです佐倉の辺りからずっと並んでたことがあるのですが、車掌に「この列車トイレの数が少ないのです。申し訳ございません」と謝られたこともあります。海外行く人には席よりもトイレとかなんですよねぇ、列車に乗る利点は。でなきゃバスですからね、今のご時世。
by Ethan (2010-12-31 19:44) 

岸田法眼

case-kさん、こんにちは。どうもありがとうございます。

杉下右京ではありませんが、気になると色々と調べたがるものですから。E259系はトイレが少ないこと以外、素晴らしい車両ですね。

またのお越しをお待ちしています。2011年もよろしくお願いいたします。
by 岸田法眼 (2010-12-31 21:12) 

岸田法眼

Ethanさん、こんにちは。どうもありがとうございます。

N'EXは短距離特急といえますが、初代の253系、2代目のE259系は空港輸送に特化しており、大型荷物置場を設置する必要上、各車両にトイレを設置すると定員が減少するため、レイアウトに苦心しているようです。

E259系のトイレは1両につき、洋式と男子用小便所を各1つ設置しているので6両だと合計4か所になります。ちなみに253系は1両につきグリーン車1か所(洋式)、普通車2か所(洋式と男子用小便所)になり、合計すると3両車は3か所、6両車は5か所ありました。

御指摘のように、E259系のトイレは先頭車しかなく、3・4・9・10号車に乗車している方は“遠い”ことになります。お寄せいただいたコメントを拝見すると、“搭乗手続きを終えないとトイレに行けない”という意識があるのですね。場所が容易にわかる列車のトイレに集中するのは、よくわかります。空港だと、どこにあるのかよくわかりませんから。

余談ですが、ライバルの京成〈スカイライナー〉もトイレは少なく、こういった不便を感じる乗客は少ないかもしれませんね。

この度は貴重な御意見をお寄せいただき、ありがとうございました。2011年もよろしくお願いいたします。
by 岸田法眼 (2010-12-31 21:13) 

下総弾正くま

千葉県に住んでると、N’EXはよく見かけますが海外に行かないもので乗車機会はなかなか…^^;

今年も1年間お世話になりましたm(_ _)m
来年もまた、宜しくお願い致します。
by 下総弾正くま (2010-12-31 23:37) 

UZ

この1年間お疲れ様でした。
E259系は近畿車両の東大阪の工場でしかお目にかかれなかったので、いろいろな情報をありがとうございました。
京成のAE形との競争も続きますが、どうか両社とも切磋琢磨していってほしいものです。

来年もどうか宜しくお願いします。
by UZ (2010-12-31 23:37) 

岸田法眼

下総弾正くまさん、どうもありがとうございます。

N'EXは一部を除き、東京―空港第2ビル間ノンストップなので、お乗りになる機会が少ないかもしれませんね。私も海外へ行く用事がないので、N'EXする機会はなかなかありません。

復路も253系を考えていましたが、この先、JR線で成田空港へ行く機会がなさそうなので、思い切ってE259系を選びました。次は京成の〈スカイライナー〉か〈イブニングライナー〉で、成田空港入りするかもしれません。

日付が変わり、「今年」になりましたが、本年もよろしくお願いいたします。
by 岸田法眼 (2011-01-01 14:26) 

岸田法眼

UZさん、どうもありがとうございます。

JR東日本は新津車両製作所がありながら、いまだ自社生産の特急形電車はありませんが、E259系は近畿車輛のほかに、東急車輛も製造しています。

コメント返信の日付が元旦に変わり、「今年」となりますが、E657系が近畿車輛でお目にかかれるかもしれませんね。E657系は、どういう車両になるのか楽しみな反面、651系の今後が気になるところです。

こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします。
by 岸田法眼 (2011-01-01 14:27) 

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